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防草シートを長持ちさせたいなら何を選べばよい?
素材別・構造別の耐用年数や
長持ちさせるコツを解説


農業の現場で活用する防草シートは繰り返し使えれば経済的ですが「そもそも防草シートってどのくらい持つの?」という疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。防草シートの耐用年数は製品や使い方によって異なるため、ニーズに合ったシートを選ぶとともに、正しい使い方を知っておきましょう。

本記事では防草シートの耐用年数の目安をはじめ、素材による耐久性の違い、長持ちしやすいシートの選び方、シートを長持ちさせるコツ、老朽化したシートを放置するリスクをまとめました。

【この記事で分かること】

●防草シートの耐用年数は1~20年と大きな差がある
●ポリエステル製や不織布タイプは耐候性や耐熱性、貫通抵抗が高いため、他のものより長持ちしやすい
●長持ちさせたいのならシートの正しい敷き方やメンテナンスが重要

防草シートの耐用年数

防草シートの耐用年数は前述したように製品や使い方によって差が出ますが、短い場合は1~3年、長いものは10~20年です。製品によってはパッケージなどに耐用年数の目安が記載されているため、確認すればおおよその寿命を把握できます。
ただし、パッケージに記載されている耐用年数はあくまで目安であり、シートの使い方や使用環境によっては寿命が延びたり縮んだりします。そのため、できるだけ防草シートを長持ちさせたい場合は、使い方や使用環境などに合わせて選ぶことが大切です。

素材による耐久性の違い

防草シートに使われる素材は大きく分けるとポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンの3つに分類されますが、どれを選ぶかによって耐久性に差が出ます。
ここではそれぞれの素材の特徴と耐久性についてまとめました。

◆ポリエステル

ポリエステルは石油を主原料とした合成繊維の一種で、耐熱性や耐久性、耐候性に優れた性質を持つ素材です。また、水分を吸収しにくいため乾きが早く、かつぬれても特性が変化しにくいという特徴があるため、ポリエステル製の防草シートは安定性に優れた製品として人気を集めています。
さらに耐薬品性にも優れていますが、一方で酸やアルカリには弱く、長雨が降った場合に劣化が進みやすいというデメリットがあります。
他の2つに比べると耐久性は高いため、できるだけ長持ちさせたい場合におすすめですが、単価も高い傾向にあるため、初期費用がかさむ点に注意が必要です。

◆ポリプロピレン

ポリプロピレンとは、原油から精製したナフサを分解して生産されるプロピレンを重合させた熱可塑性樹脂の一種です。包装フィルムやプラスチック容器、ペットボトルのキャップなど日常の至るところに使われている素材で、PPという略称で知られています。
ポリプロピレンは優れた剛性、耐熱性、耐油性、耐薬品性を兼ね備えている上、前述したポリエステル製のシートに比べると安価で購入できるところが大きな利点です。軽量で扱いやすく、雨にも比較的強いところも魅力ですが、一方で耐候性はそれほど高くありません。
そのため、むき出しの状態で使用する場合は表面に紫外線防止加工が施された製品を選ぶ必要があります。

◆ポリエチレン

ポリエチレンとは、ナフサを精製し加工することによって発生するエチレンに化学反応を起こさせて作る合成樹脂の一種です。防水性や耐薬品性、耐寒性に長けているため、長雨や低気温などの環境下でも使えるところが特徴です。
また、大量生産が可能であるため、3つの素材の中でも特に価格が安く、初期コストを抑えられるというメリットもあります。
一方で、他の素材に比べると耐熱性や耐候性が低く、直射日光にさらされやすい夏場は劣化が早まりやすいところがネックです。

構造による耐久性の違い

防草シートの寿命は、素材だけではなく構造によっても左右されます。
構造は大きく分けて織布と不織布の2種類があり、織布は縦糸と横糸が垂直に交わるように織られている構造のことです。引っ張り強度が高く、力を込めて引っ張っても破れにくいことから、手軽に扱えるという利点があります。また、生産コストが安く、費用を抑えて購入できるところもうれしいポイントです。
ただし、縦糸の列に横糸を織り込むという構造上、シートをカットすると繊維がほつれやすいというデメリットがあります。また、紫外線の影響で繊維が細くなってくると隙間が生じ、そこから雑草が生えてくる可能性があるため、劣化したら早めに交換する必要があります。特に繊維の密度が粗いものは隙間が空きやすいため、織布の防草シートを購入する場合は密度の高さもチェックしましょう。
一方の不織布は、繊維を織らずに熱や水圧、接着剤などで結合させてシート状にするものです。繊維同士を密着させる分、余計な隙間が空きにくく、織布シートよりも高い防草効果を期待できます。また、繊維を織らずに成型するため、カットしても端がほつれにくく、好きな形状で使いやすいという利点もあります。
耐久性にも優れていますが、単価が高いため、初期費用がかさむ点には注意が必要です。

長持ちする防草シートを選ぶときのポイント

できるだけ長持ちする防草シートを選びたいときは、遮光率の高さや透水性・通気性などの性能に着目しましょう。
ここでは長持ちする防草シートを選ぶときのポイントを4つご紹介します。

◆遮光性の高いシートを選ぶ

遮光性とは、その名の通り、太陽光をさえぎる性質のことです。雑草は光合成によって生育するため、遮光率が高いシートを選べば雑草の繁茂を防ぎやすくなります。
雑草が伸びると、シートを突き破って穴が空く可能性があるため、雑草が生育しにくいシートを選ぶことそのものが長持ちの秘訣になります。遮光性の高さは製品に記載されている遮光率で判断できますが、表記がない場合はできるだけ目の詰まったものや、隙間の少ない不織布シートを選びましょう。
現物を手に取って確認できる場合は、光に透かしてみると遮光性の高さをある程度チェックできます。

◆透水性の高いものを選ぶ

透水性とは、水を通しやすい性質のことです。透水性が低いと水はけが悪くなり、雨が降ったときにシートが長時間ぬれた状態になります。耐水性の高いシートでも、長時間水にさらされていると劣化が早まる原因になるため、シートを長持ちさせたいのなら透水性の高い製品を選びましょう。
「水を通しやすいシートだと雑草が生えやすくなるのでは?」と思うかもしれませんが、遮光性の高いシートを選べば光合成ができなくなるため、水を通しても雑草がはびこる心配はありません。
むしろ、水はけの悪いシートだと、水たまりに飛んできた種子が発芽してしまう可能性があります。そのため、透水性の高いシートを選んだ方が水たまりを防ぎつつ雑草の繁殖も抑えられるため、一石二鳥といえます。

◆貫通抵抗のあるシートを選ぶ

貫通抵抗とは、伸びた雑草がシートを突き破るのを防ぐ性質のことです。貫通抵抗の低いシートを選ぶと、雑草の突き破りによって繊維同士の隙間が大きくなったり、穴が空いたりして寿命が縮まる原因になります。
貫通抵抗はシートが厚く、かつ目の詰まったものほど高くなるため、シートを購入するときは厚みや目の詰まり具合も合わせて確認しましょう。特にスギナやススキ、ヨシなど先端が尖った雑草は貫通力が非常に高いため、これらの雑草が生える場所にシートを敷く場合は貫通抵抗に優れたシートを選ぶことが大切です。

◆耐候性の高いシートを選ぶ

紫外線は繊維の劣化を招く要因になるため、耐候性の高いシートを選ぶことが寿命を延ばすポイントになります。
ポリエステル製の防草シートを選ぶのがベストですが、ポリプロピレン製やポリエチレン製のシートを購入する場合は、紫外線防止加工が施されているものを選びましょう。

防草シートを長持ちさせるコツ

防草シートの寿命はシートそのものの性質だけではなく、使い方や環境によって左右されます。
ここではシートを長持ちさせるために徹底したい正しい使い方と適切なメンテナンス方法をご紹介します。

◆雑草を処理する

防草シートを敷く前に、雑草をしっかりと処理しておきましょう。防草シートには雑草を生えにくくする作用がありますが、すでに生えている雑草を取り除く効果はないため、雑草の上からシートを敷くと突き破りが起こる原因となります。
なお、除草するときは根元から抜くことを意識しましょう。根が残っているとすぐに新しい雑草が生えてくるため、刈り取りではなく抜き取りを徹底することが大切です。
範囲が広くて手作業が難しい場合は除草剤を散布するのがおすすめです。除草し終えたら、新しい雑草が生えないよう土壌処理剤を散布しましょう。

◆障害物を除去して凹凸をなくす

石やごみなどがあると防草シートに引っかかって破れることがあるため、あらかじめ障害物は除去しておきましょう。
障害物があった場所は凹凸ができるため、レーキや熊手などを使って平らにならしておくのがポイントです。凹凸を残したまま防草シートを敷くとシートと地面の密着が甘くなり、風にあおられて剥がれや破れの原因となるため注意しましょう。

◆重ね代を十分に確保する

重ね代とは、防草シート同士が重なる部分のことです。重ね代を十分に確保していない場合、隙間から雑草が生えたり、風が入り込んだりしてシートに余計な負荷がかかることがあります。
防草シートの重ね代は10~15cmを目安に十分確保し、隙間ができないようにしましょう。なお、重ね代に専用の粘着テープや接着剤などを使用すれば、より効果的に隙間の発生を防げます。

◆ピンや杭でしっかりと固定する

防草シートを敷いたら、シートの端を専用のピンや杭でしっかりと固定しましょう。防草シートと地面の間に余計な隙間が空いていると、そこから風が吹き込んでシートがあおられ、破れや剥がれなどのトラブルが起こりやすくなります。
なお、ピンや杭を打つときは、場所によって間隔を調整することを意識しましょう。特にシートの端部や重ね代の部分はその他の部分よりもやや間隔を詰めて打った方が固定力は高まります。

◆防草シート上の落ち葉や土を小まめに取り除く

防草シートの上に風で飛ばされてきた落ち葉や土が堆積すると、そこに飛んできた雑草の種が発芽し、伸びた根がシートを突き破ってしまう恐れがあります。
そのため、防草シートを敷いた後も定期的に状態を確認し、落ち葉や土が堆積していたらブロワーやほうきなどを使って掃除をする習慣をつけましょう。

◆小さな破れでも早めに補修する

防草シートに小さな破れや穴などができているのを見つけたら、なるべく早めに補修しましょう。「このくらいなら大丈夫だろう」と放置していると、破れ目がさらに大きくなったり、隙間から雑草が生えて穴が広がったりする原因になります。
小さな破れや穴であれば、粘着テープで簡単に補修できるため、さほど手間はかからないでしょう。テープだけで足りない場合は、破損した部分をハサミなどで切り取り、該当箇所より一回り大きいサイズにカットした新しい防草シートを敷いてピン留めします。

耐用年数が過ぎたシートは早めに交換するのがおすすめ

耐用年数が過ぎた防草シートを放置していると、劣化によって防草効果が低下し、雑草が繁茂する原因となります。
防草シートの寿命が過ぎたら、早めに新しいものに交換する計画を立てましょう。なお、環境や使い方によって劣化が進んでいる場合は、製品に表記されている耐用年数に関わらず交換が必要です。
また防草シートの交換は、古くなったシートを剥がしたり処分したりする工程が増える分、初めてシートを敷くときよりも費用と手間がかかる点にも注意しましょう。
防草シートがぼろぼろになるまで使い込んでから交換しようとすると、張り替えまでの間に新たな雑草が生えてくる恐れがあります。そのため、防草効果がまだ残っている段階で交換するのがおすすめです。

防草シートを長持ちさせたいならシートの素材や構造をチェックしよう

防草シートの効果をできるだけ長持ちさせたいのなら、耐用年数の長い製品を選ぶことが大切です。例えばポリエステル製のものや不織布タイプのものなら耐熱性や耐候性、貫通抵抗に優れており、他の素材・構造のシートより長持ちします。
ただし、いくら性能の高いシートを選んでも、シートの敷き方やメンテナンス方法が誤っていると破損や劣化が生じる原因になります。シートを敷く前は雑草や障害物を除去する、シートを敷いた後は定期的な掃除と破れの補修を徹底するなど、適切な使い方を心掛けましょう。

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