農業用不織布シートとは?
効果や種類ごとの違い、基本的な使い方を紹介
農業用不織布シートは、農作物を害虫や霜、乾燥などから保護してくれる便利なアイテムです。上手に活用すれば安定した収穫量や品質の向上を期待できるため、家庭用菜園から本格的な農業まで幅広いシーンで活用されています。
シートは厚みや色などによって特徴が異なるため、自分のニーズや目的に合わせて適切なものを選びましょう。
本記事では農業用不織布シートの基礎知識や使用時に期待できる効果、主な種類と使い方、失敗しないために知っておきたい注意点などを解説します。
シートは厚みや色などによって特徴が異なるため、自分のニーズや目的に合わせて適切なものを選びましょう。
本記事では農業用不織布シートの基礎知識や使用時に期待できる効果、主な種類と使い方、失敗しないために知っておきたい注意点などを解説します。
【この記事で分かること】
●保温や物理的な霜よけ、害虫・害鳥対策、乾燥防止などに効果的
●正しく設置・メンテナンスしないと効果が半減するため要注意
農業用不織布シートとは? 基礎知識と織布シートとの違い
また農業用不織布シートはロールで販売されており、必要な大きさにカットして農地に敷くことで、農作物の天敵である害虫や霜、乾燥などを防ぐ役割を果たします。
◆農業用不織布シートと織布シートの違い
不織布シートは繊維を接着剤でランダムに結合しているため、多数の小さな穴が空いている「多孔質構造」になっています。通気性はもちろん、透水性にも優れており、水たまりや過湿が発生しにくいといった利点があります。目の詰まった織布に比べるとやや耐久性は低いものの、厚みのあるものは頑丈な作りです。そのため、適切にメンテナンスすれば長持ちするでしょう。織布とは、縦糸と横糸を織り込んで作られた布のことです。繊維の種類や太さ、密度などによって目の粗さや剛性が変化し、目の詰まったものほど頑丈になります。その一方で、繊維が規則正しく織られていて隙間が生じにくく、通気性が低いという欠点があります。そのため、農地の被覆材ではなく、防草シートなどに用いられるのが一般的です。
農業用不織布シートの効果
◆保温効果
農業用不織布シートは空気を含む性質を持っているため、太陽光で暖められた空気を保持することで保温効果を発揮します。農業用不織布シートによって地温が上昇すると、早春や晩秋など地温が低くなりやすい時期でも、作物の生育の促進が可能です。そのため、うねや畑全体を覆う「べたがけ」の資材として活用されています。
◆霜よけ効果
保温性の高い農業用不織布シートを農作物の上にかけると、霜よけの効果が期待できます。春や秋の寒冷地では、霜が作物に付着することで生育活動が低下し、養分が滞ったり作物が枯れたりする霜害が発生しやすいです。冬の時期であれば、あらかじめ霜がおりると想定してビニールで被膜したり、マルチシートを敷いたりして対処できます。しかし、晩春や早秋の霜は予測がしにくく、対策が間に合わないケースも少なくありません。
農業用不織布シートは非常に軽くて扱いやすく、支柱なしで直接被せるべたがけが可能であるため、急な霜よけに役立ちます。
◆害虫・害鳥対策
不織布シートは耐久性に優れているため、害虫や害鳥対策としても有効です。害虫・害鳥対策として活用する場合、曲パイプなどで支柱を立ててトンネルを作り、その上からシートを被せる浮きがけという手法が用いられるのが一般的です。害虫や害鳥は農作物に深刻な被害をもたらしますが、不織布シートによって物理的に虫・鳥の侵入を防げば、効果的な食害対策になるでしょう。
◆乾燥対策
農業用不織布シートを農作物にかけると、土壌の水分蒸発を抑制でき、乾燥対策に役立ちます。土壌が水分不足に陥ると、作物の生育が悪くなって収穫量が減少したり、品質が低下したりする原因になるため、農業において乾燥対策は必須です。特に気温が高い夏場や、空気中の飽和水蒸気量が低下する冬場は乾燥しやすいため、農業用不織布シートでの対策がおすすめです。
◆防草効果
農業用不織布シートは防草シートとしても活用可能です。特に遮光率の高い不織布は、光合成に必要な日光をさえぎる効果があるため、雑草の発芽・生育を抑えることができます。不織布シートは多孔質で透水性が高いため、雑草が生えやすいイメージがあるかもしれません。しかし、日光さえ通さなければ雑草は繁茂しにくくなるため、安心して利用できます。
農業用不織布シートの種類
◆長繊維不織布シート
長繊維不織布シートとは、長くつながった繊維を絡み合わせ積層し、結合させた不織布シートのことです。長繊維不織布シートは目が細かく、かつ表面に凹凸を入れるエンボス加工を施すことで摩耗や傷が生じにくくなるため、高い耐久性を備えているところが特徴です。軽量で扱いやすい点や、安価で購入できる点もメリットで、幅広い用途に活用されています。
ただし、柔軟性は低いため、地面に凹凸があると浮きが生じやすいという欠点があります。
◆短繊維不織布シート
短繊維不織布シートとは、短めの繊維を絡み合わせて結合した不織布シートのことです。前述した長繊維不織布に比べるとかさ高で、弾力性に富んでいることから、見た目や触感で見分けが付きます。短繊維不織布シートは柔軟性に優れているため、地面にしっかり密着させやすく、隙間なく施工できるのがメリットです。一方で、耐久性や経済性は長繊維不織布よりも劣ります。そのため、長持ちさせたい場合やコスト重視の方は、長繊維不織布を選んだ方が良いかもしれません。
◆ポリエステル不織布シート
ポリエステル不織布シートは、ポリエステル樹脂を原料としたシートです。耐熱性や耐薬品性、耐候性に優れている上、強度も高いことから、真夏や真冬など厳しい環境でも劣化しにくいという特徴があります。さらに、保温性に優れ、露地栽培でも使用されています。◆ポリプロピレン不織布シート
ポリプロピレン不織布シートは、ポリプロピレンと呼ばれる合成樹脂を原料としたシートです。引っ張り強度や圧縮強度、衝撃強度に優れていることから、浮きがけのように多少負荷がかかっても破損しにくく、長期間にわたって使用できるところが特徴です。また、速乾性に長けているため、雨が降っても水たまりが発生しにくく、雑草の繁茂を防ぐ効果も期待できます。
農業用不織布シートの使い方
ここでは、それぞれの使い方や特徴をまとめました。
◆直がけ(べたがけ)
直がけとは、不織布シートを直接農作物の上にかける方法のことで、置きがけと呼ばれることもあります。露地栽培の場合は農作物に被せた後、裾を専用のピンなどで留めて固定します。ハウス栽培など風の影響を受けにくい場所なら、ピンの代わりに石や角材を置いたり、土を被せたりして固定しても良いでしょう。
支柱などの資材を必要としないため、コストと手間があまりかからないところが利点です。しかし、裾の固定が甘いと保温効果が下がったり、虫が入ったりする可能性があるため、使用時は念入りに固定しましょう。
◆浮きがけ(トンネルがけ)
浮きがけは、曲パイプやポールなどの簡易的な資材を用いてトンネルを作り、その上から不織布シートを被せる方法です。その形状からトンネルがけと呼ばれることもあります。シートが直接作物にかからない仕様になっているため、雨が降っても重みで作物に負荷がかかりにくく、かつ風の影響も受けにくいところが特徴です。浮きがけするときは、まず資材でトンネルを作り、作物をまたぐように取り付けた後、各支柱を専用のピンで固定します。その後、上からシートを被せ、余った端をねじってピンで留めれば完成です。
浮きがけは農作物への負担をなるべく減らしたい場合におすすめの方法です。一方で、直がけに比べると手間と資材費がかかるため、注意しましょう。
農業用不織布シートを使うときの注意点
1. 適切な方法で設置する
農業用不織布シートは薄くて軽量であるため、正しい方法で設置しないと風でめくれたり、飛ばされたりする原因になります。特に屋外の農地で使用する場合は風の影響を受けやすいため、裾や端が固定されているかどうかをしっかりチェックしましょう。なお、強度の低いシートを使用すると、ピンを刺した部分を中心に生地が破れる場合があります。そのため、シートを設置した後は定期的に点検し、めくれや剥がれ、破れなどが発生していないかどうか確認しましょう。
2. 破損箇所は速やかに補修する
シートに破れや穴などの破損を見つけたら、なるべく速やかに補修しましょう。最初は小さな破れ・穴であっても、放置するとだんだん被害が拡大し、シート本来の効果を発揮できなくなる恐れがあります。被害が小さいうちならシート専用のテープなどを使えば簡単に補修できるため、それほど負担にはならないでしょう。
逆に、破損箇所を放置していると応急処置では間に合わず、シートそのものを張り替えざるを得なくなるため、初期段階で対応した方が手間とコストの節約になります。
農業用不織布シートを活用して農作物のトラブルを予防しよう
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